知事メッセージ
富山県 知事
新田 八朗
富山県が令和4年2月に策定した「富山県成長戦略」の柱には、自分らしく生き生きと生きられること、主観的な幸福度を重視した、真の幸せ「ウェルビーイング」の向上を据えています。暮らしのなかの真の幸せを実感し、誇りと愛着を持つことができる富山県、また、そういう富山県に引き寄せられて、多様な人材が集積する「幸せ人口1000 万~ウェルビーイング先進地域、富山」の実現を目指しています。
そのための施策の柱の一つとして、スタートアップ支援を掲げており、核となる突き抜けた人材が県内でのびのびと活躍しやすくなるよう環境整備を進めています。起業家が生まれ、成長できる環境を構築し、移住者を含めた多様な人材による活発な創業を促進していきます。
本県が全国の自治体としては初の取組みとして開始した、東京で移住と起業を併せて支援するこの「とやまスタートアッププログラムin 東京」も重要な支援施策の一つです。第5期生の皆様には、起業家教育の第一人者で本県出身の熊野神戸大学教授の熱意あふれる指導のもと、7か月間、日々研鑽に努められ、講義や実地研修等を通じてビジネスプランを磨き上げられました。
本プログラムの実施にあたり、熊野先生をはじめ、ご協力をいただいた講師陣、県内企業、関係の皆様に深く感謝申し上げます。最終発表会の優勝者ほかファイナリスト8組、そして受講生の皆様全員が、本県においてビジネスプランを実現し、大活躍されることを大いに期待しています。県としても全面的にバックアップしていきますので、ぜひチャンスがあり、夢を叶えることができる富山県で、共に、ワクワクする新しい未来をつくっていきましょう。
講師メッセージ
とやまスタートアッププログラム in 東京 監修
神戸大学 産官学連携本部 教授
熊野 正樹(富山県出身)
日本政府は、「スタートアップの育成」と「地方創生」を国家戦略の重要な柱として位置付けています。我が国が目指すべき姿として、「我が国の経済成長の起爆剤」となり、「世界共通の社会課題の解決に貢献」するスタートアップが、自発的・連続的に創出する社会の実現を目指しています。政府は2022 年を「スタートアップ創出元年」と位置づけて、スタートアップの育成を本格化しています。また、地方創生の観点からも、地域での有望な起業家の発掘に可能性を見出しており、地方から世界市場を目指すスタートアップへの期待は非常に高まっています。
一方、地方創生の鍵は、若者の地方への定住であり、そのためには、若者の仕事が地方に必要となってきます。若者の仕事が地方に十分にないのであれば、自ら起業して、地方に魅力ある仕事を創るということもその解決策となります。
このような中で、本県への移住・創業を希望する富山県外在住の若者を対象とした起業家育成講座「とやまスタートアッププログラム in 東京」は、全国初となる非常に意義のある取り組みです。
スタートアップ人材においても、東京一極集中と言われますが、東京が地方出身者の集まりだとするならば、一定数は富山県出身者や富山にゆかりのある方であり、実際にそのような優秀な方が多数受講され、富山での起業に向けて、大変熱心に、かつ楽しくプログラムが進行いたしました。
多様な受講者によるコミュニティが形成され、富山県や県内企業、ベンチャーキャピタル等の支援企業の協力により、富山県におけるスタートアップエコシステム構築の大きな一歩を踏み出しています。この取り組みを一層強化し、富山から日本を、そして、世界を変えるスタートアップが創出されると信じています。